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冬の食事対策…冬の感染症対策

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冬の食事対策…冬の感染症対策

冬の食事対策

 寒さで体力を奪われがちな冬。高齢者が寒さに負けない体力や免疫力を維持するには、まずは食事からきちんと栄養を取ることが大切です。保存食や乾物、便利なレトルトなどを上手に利用し、飽きのこない食事を用意しましょう。しかし、高齢になると咀しゃく力や飲み込む力(嚥下力)が低下し、思うように普通の食事が楽しめなくなります。今回は、そんな高齢者の「食」について、詳しく紹介します。

「咀しゃく」と「嚥下」の低下で食欲不振

食欲不振

 口から食べることは、栄養を補給するという目的のためだけでなく、味覚・臭覚・視覚・聴覚・触覚を刺激して、生きる喜びや食べる楽しみ与えてくれる、とても重要な行動です。

 しかし高齢になると、咀しゃくする力や飲み込む力が低下し、食事のスピードが遅くなったり、食べ残しが多くなるなど、食事面の不安が出てきます。

 そこで、食材を小さく切ったり、軟らかくなるまで火を通したりと、さまざまに工夫して献立を調えますが、食べ残しなどの原因が「咀しゃく」にあるのか、「嚥下」にあるのか、またはその両方とも低下しているのかを把握する必要があります。

 咀しゃくが弱くなってくると、固いものや1片が大きいもの、繊維の多い野菜などを噛めなくなり、こうした食材を避けるようになります。また、こんにゃくやたこ、かまぼこのように弾力性のあるものも、うまく噛み切ることができなくなります。

 一方、飲み込む力が弱くなってくると、のりやわかめなどのように薄くヒラヒラしたものは、のどの奥や口蓋(こうがい・口の中の上壁)に張りついてしまい、最悪、気管の入り口を塞いで窒息する危険性があります。

 さらに、おから、カステラ、クッキーなどのぽろぽろしたものも、口のなかでかたまりにならないままのどの奥へ運ばれ、気管に入ると強いむせを引き起こします。さらに、水などのサラサラした液体は、もっとも誤嚥を引き起こしやすいため、普段の水分摂取にもとろみ剤をつかってとろみをつけるなどの工夫が必要となります。

食欲不振

 入れ歯や欠損歯のある方は、ゴマやパン粉など、小さな粒状のものが入れ歯の裏側や歯間にはさまってしまうことも。薬味の青ネギなども、小さすぎると口中にとどまったままで不快な思いをします。

 また、咀しゃくや嚥下に問題はなくても、すっぱいもの、辛いものも、高齢者には刺激が強すぎてむせを引き起こすことがあります。一度むせて苦しい思いをすると、箸が進まなくなるものです。

 このように、高齢者は「普通の食事」のハードルがどんどん高くなって、食欲が落ちたり、むせやすくなっていくのです。ただでさえ食事量が減ってくるのに、食事を楽しめなくなると一気に栄養障害に陥る可能性があります。

市販品も上手に取り入れ、省力化

食欲不振

 下の表にあるような食事を一から手作りするにはミキサーやうらごし器を使わなければならず、手間も時間もかかるもの。すべて最初から家庭で手作りするのは大変です。そこで、便利な市販の介護食を利用したり、家族と一緒の献立に手を加える方法で献立を調えましょう。

 市販の介護食には、ユニバーサルデザインフードの区分表によって噛む力・飲み込む力の目安、かたさの目安が表記されているので、食べる人の状態に合った商品を選ぶことができます。


高齢者が飲み込みやすい食事形態と食事の具体例

  • 飲み込みやすいもの
    • 適度な粘度があり、噛むとペースト状の食塊をつくりやすいもの
    • 性状が均一で咀しゃくしやすいもの
    • ゼラチン、くず、片栗粉などで固めたり、粘度を与えたもの
    • 無味よりわずかな酸味や甘みのあるもの
    • のどの奥の粘膜に触れたときに嚥下反射が起きやすいのは冷たいもの。口当たりがよいのは10~15度くらいのもの。
  • 食事の具体例
    • デザート系
    • プリンやムース、牛乳やジュースのゼリー、ヨーグルト、アイスクリームなど。
    • 汁物系
       クリームスープ、シチューなど。
    • フルーツ
       バナナ、桃、マンゴーなどをつぶしたもの。りんごや柿、ブドウなどをコンポートにしたもの。
    • おかず
       茶碗蒸し、卵豆腐、ごま豆腐、とろろなど。魚は骨や皮を除いてすり身状に。野菜は繊維に直角に包丁を入れやわらかく火を通す。煮物などはくずをかけて飲み込みやすく。
    • 主食
       おかゆは3分がゆ、5分がゆなど。パンは食パンを小さくちぎってパンがゆに。

冬の感染症対策

 冬は空気が乾燥するだけでなく、冷えからも体調をくずしがちな季節。そしてウイルスや細菌などの病原体が活躍する時期でもあります。今回は、流行する季節だからこそしっかり予防したい、インフルエンザなど感染症への備えについて紹介します。デイサービスやショートステイなど、集団感染の可能性もある要介護高齢者の健康を、日ごろの予防でぜひ感染症から守りましょう。

感染するのは「ウィルス」?それとも「細菌」?

ウイルスと細菌

 そもそも、ウイルスと細菌の違いを、皆さんはご存知ですか?ウイルスはヒトや動物などの生体の細胞内で増殖するもので、抗生物質が効きません。代表的なものに、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルスなどがあります。

 一方、細菌は、それ自体が細胞をもつ単細胞生物で、個々の細胞に適した環境で増殖します。多くの場合、抗生物質で治りますが、抗生物質に対して耐性を持つ耐性菌も出現しています。

 代表的なものに結核菌、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などがあります。毎年死者も出る腸管出血性大腸菌O-157は大腸菌の仲間です。

 感染症対策の基本は「感染させない」「感染しても発症させない」ことです。具体的には、1)病原体を持ち込まない、2)病原体を広げない、3)病原体を持ち出さない。この3つがポイントとなります。

 健康な人に感染を起こすことは少ない病原体も、感染抵抗性の低下している要介護高齢者では、感染後、発症しやすくなります。特に高齢者介護施設などでは、接触感染による集団感染の実例も多い感染症(MRSA、緑膿菌など)には注意が必要です。

 「利用者は在宅だから関係ない」と侮ってはいけません。デイサービスやショートステイ先からもらってくることも多く、また、ヘルパーや家族など、本人以外の第三者から感染する場合も多いのです。

主な感染経路と原因微生物

感染経路特長主な原因微生物
空気感染咳、くしゃみなどで、飛沫核(ひまつかく)5ミクロンメートル以下として伝播(でんぱ)する。長時間空気中に浮遊するので、空気の流れにより飛散するため、空調対策が必要。結核菌、麻しんウイルス、水痘ウイルスなど
飛沫感染咳、くしゃみ、会話などで感染する。飛沫粒子5ミクロンメートル以上は1メートル以内に床に落下し、空中を浮遊し続けることはないため、空調対策は不要。インフルエンザウイルス、マイコプラズマ肺炎、百日咳、風疹ウイルス、流行性耳下腺炎、レジオネラなど
接触感染(経口感染を含む)手指、食品、器具を介して伝播する、もっとも頻度の高い伝播経路。感染源に直接接した手や体などにより起こる直接接触感染と、汚染された食品、水、薬剤、器具などとの接触により起こる間接接触感染がある。ノロウイルス、ロタウイルス、ヘルペス、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、腸管出血性大腸菌O-157、赤痢、緑膿菌など

感染予防の国際基準「スタンダードプレコーション」

手洗い

 「スタンダードプレコーション」という単語を、聞いたことがありますか?これはアメリカの国立疾病予防センターが提唱している院内感染を防ぐための「標準的予防策」で、現在では世界中の医療現場で標準的に用いられているほか、高齢者介護施設の現場でも取り入れているところが増えてきました。

 スタンダードプレコーションの基本的考え方は「すべての患者の血液、体液、分泌物、排泄物、創傷皮膚、粘膜などは、感染する危険性があるものとして取り扱わなければならない」というもので、先に紹介した、病原菌を「持ち込まない・広げない・持ち出さない」の基本となるものです。

 具体的には、手洗いに始まり、マスク、手袋、器具、リネン類などの取り扱いが細かく標準化されています。在宅でこれらすべてを徹底することは不可能ですが、ここでは、誰にでも簡単にできる「手洗い」と「うがい」について解説します。

感染予防の基本は「手荒い」と「うがい」

 水だけでの手洗いでは病原体を除去することは難しいため、流水と石けんの使用が前提となります。石けんは、固形石けんから感染する例もあるため、できればワンプッシュで1回分が出てくるポンプタイプの液体石けんがよいでしょう。

 しかし、外出先では必ずしも水と石けんのある環境ばかりではないため、殺菌効果のあるアルコール入りウエットティッシュを常備するとよいでしょう。新型インフルエンザが猛威を振るった2009年以降は、公共施設の入り口付近などには、速乾性の手指消毒薬を常備するところが増えているため、外出先でもこまめに手指を消毒するとよいでしょう。

 一方、うがいは細菌繁殖の原因となる食べかすの排除という洗浄効果のほか、病原体の定着を阻害し、細菌の数を確実に減らす効果があります。外出から戻ったときや、咳やタンの多い人と接した後は、必ずうがいを行いましょう。

うがい

 うがいをするときには、60CC程度の水(コップ3分の1程度)を3回に分けて行うイメージで、1回目は強めに行い食べかすなどを出し、2~3回目はのどの奥まで届くように上を向いて、15秒程度行います。

 寝たきりなどで、自分でうがいができない人も、口腔ケア用のウエットティッシュなどを上手に利用し、常に口中を清潔に保つようにしましょう。

 また、インフルエンザが流行している時期や、病院・病棟では、マスクの着用も心がけたいものです。

冬に流行する「インフルエンザ」と「ノロウィルス」

 感染症のなかでもかかりやすく、これからの時期、特に気をつけたいのがインフルエンザとノロウイルス。ここでは、その症状と対処法を紹介します。

  • 【インフルエンザの症状と予防法】

うがい

 インフルエンザは毎年、晩秋から流行りはじめ、1~3月頃に大流行します。2009年には新型インフルエンザが世界的に大流行し、日本でも200人以上の死者を出したことは記憶に新しく、犠牲者の多くは糖尿病やぜんそくなどの基礎疾患をもつ方でした。

  • インフルエンザは飛沫感染
     インフルエンザは、咳やくしゃみをした際にウイルスを吸い込むことで感染する「飛沫感染」です。人ごみ(電車の中や込み合う商店など)では、感染するリスクが高まるので、マスクで予防しましょう。
  • インフルエンザの症状
     38℃以上の発熱、頭痛、関節痛や筋肉痛、寒気、全身倦怠感、咳などです。ただし高齢者では高熱が出ない人も多く、一般的な風邪(流行性感冒)との見分けがつきにくい場合があります。
  • 高齢者のリスク
     インフルエンザなどの感染症が引き金となり、肺炎や脳炎など重篤な症状を併発することがあるため、利用者の体調に少しでも不安があるようなら、かかりつけ医の受診をすすめます。
  • 予防法
    • 流行前にワクチン接種を受けましょう。
    • 空気が乾燥していると、ウイルスの侵入を防ぐからだの身体機能が低下するため、室内は常に50~60%の湿度を保てるよう、加湿器などで調整しましょう。
    • ウイルスは咳で約1.5メートル、くしゃみで約3メートル飛散するといわれています。マスクの着用、咳やくしゃみをするときは、ハンカチなどで口元を押さえましょう。
    • 咳やくしゃみを処理した後は、手洗いをします。
  • 【ノロウイルスの症状と予防法】

うがい

 ノロウイルスによる食中毒は1年中発生していますが、統計的には毎年11月頃から発生件数が増え、1~2月頃にピークをむかえます。

 ノロウイルスは汚染された食品や手指などについたウイルスが口に入ることによって発症する「経口感染(接触感染の一種)」です。カキなどの二枚貝が原因で発症することはよく知られていますが、もっとも多い発症例は二次感染です。

 その経路は、ノロウイルス感染者の排泄物や吐しゃ物に触れた人(保菌者)が、よく手を洗わずに調理作業に当たることで食品にウイルスが移り、その食品を食べることで感染します。

 施設やホテルの宴会場などでの集団感染が報告される例が多いのは、こうした事情からです。調理者はもちろん調理前には手を洗っているはずですが、流水と石けんで丁寧に洗わないと、ウイルスは落ちません。

  • ノロウイルスの症状
     激しい腹痛、嘔吐、下痢、発熱、吐き気などが起こります。初期の風邪やインフルエンザの症状とも似ています。感染してから発病するまでの潜伏期間は、平均1~2日(短くて数時間から数日)。
     通常は軽症で、症状が1~3日続いて回復します。しかし要介護高齢者や糖尿病などの病気がある人が発病すると重症になることがあります。
  • 高齢者のリスク
     ノロウイルスにはインフルエンザのようなワクチンはありません。感染してしまったら、下痢や吐き気は薬で抑えず、ウイルスを体外に出して症状がおさまるのを待ちます。その間、下痢や発熱で体力を消耗するので、脱水を防ぐため十分な水分補給を行います。
  • 予防法
    • ノロウイルスは熱に弱いため、食品からの感染を防ぐためには、食材によく火を通して調理します。
    • 包丁やまな板などの調理器具の消毒を徹底します。ふきんなどは熱湯で1分以上の加熱消毒も有効です。
    • 排泄物や吐しゃ物は絶対に素手では触らないこと。トイレの掃除も徹底しましょう。トイレや用具の消毒には、家庭用塩素系漂白剤が有効です。
    • 一度感染すると、症状が改善しても1~4週間にわたって排泄物にウイルスが排出されるため、感染後は少なくとも1週間は症状が改善後も用便後は十分流水と石けんによる手洗いを行うことが重要です。

 
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